「寒冷紗(かんれいしゃ)」とは、普通の綿布よりも荒く織り込んだ綿織物の一種です。綿以外には、麻、レーヨン、ポリエステル繊維などが使われています。農業、縫製、建築、食品、美術など、様々な分野で利用されていますが、本作りの際にも必需品です。
私たちが扱う寒冷紗の用途としては、製本の際に本文の背に貼ることによって、くずれを防止することを目的としています。また表紙と本文の接着を補強する役割もあります。
ほとんどの場合、上製本を作製する際に使うのですが、丈夫でなければいけないので、紙工用ボンドのみを用いて貼り付けます。(ちなみに、布クロスとボール紙、表紙と見返しを貼るときなどは、紙工用ボンドとひめ糊を混ぜて貼り付けます)
表紙と本文の間に挟まれている寒冷紗を、直接見る機会はほとんどありませんが、壊れにくい本を作るために欠かせない部品の一つです。