本の表紙を印刷し、製本する仕事で、「レザック80つむぎ」という紙(上の写真)を使用しました。
一般的に「ファンシーペーパー」といわれる種類で、表面に凹凸状の模様をつけたこの特殊紙。本の表紙や見返し、カード類などに幅広く使われていて、日本の伝統織物である、八丈白紬の肌触りをイメージした紙だそうです。模様に対して紙の目が交差しているのも特徴の一つです。
紙の表面に模様があるため、とても凸凹しており、上質紙などのように表面が平らではありません。
オフセット印刷は、インクジェットプリンターのようにインクを吹き付けるわけではなく、版につけたインキを一度ゴムブランケットに転写し紙に転写するため、紙に凹凸があると通常のやり方ではインキがきちんと印刷されず、かすれてしまいます。
このかすれを解決するにはかなり印圧をかけなければなりません。紙の模様の一番薄い部分に基準をあわせ、圧力をかけてインキを隙間に押し込むイメージです。
ブランケットはゴムでできているので、凸凹した紙を印刷すると多少へこんでしまいます。そのまま上質紙やコート紙を印刷すると、網点に影響が出て質が落ちてしまうことがあるので、紙の特徴にあわせてブランケットを使い分けるなど、工夫をして印刷を行なっています。