下関市のシーモールシアターへ、「懐かしの路面電車 復活上映会~改訂版」を観に行ってきました。
かつて下関市内を走っていた路面電車は、大正15年~昭和46年2月6日まで、運行していました。市内線が廃止になるまでの間に、約5億8600万人を乗せて走ったそうです。
イベントでは、最終運行日の様子を8ミリカメラで撮影した戸村誠一郎さんをはじめ、元運転士や車掌、乗客などが登壇し、昨日のことのように懐かしのエピソードを語っていました。最終運行日の式典で流れた「蛍の光」や挨拶の音声も披露され、貴重な映像が残っていることに感動しました。
上映では、当時の下関駅から入江町、細江町、唐戸、東駅など沿線の道路と、現在の道路を比較描写させることによって、実際に乗ったことがあるような感覚を味わい、何ともいえない気持ちがこみ上げ感極まる場面もありました。朝の登校時間には、電車が身動きできないくらい大勢の高校生たちが電車を囲み、とても活気にあふれていたことが映像から伝わってきました。
通勤、通学など、日常生活の足となっていた路面電車が廃止になってから50年余り。今は当時の軌道や電停の面影もほとんどなくなっていますが、広島や長崎の市内を走っている路面電車を見るたびに、「下関も路面電車が残っていたら、もっと観光面でも魅力ある街になっていたのになぁ」と想像してしまいます。
主催の山中プロダクションの山中です。
ご来場頂き有難うございました。戸村さんが残した貴重な記録から、路面電車が単なる交通手段以上のものであったように感じました。その何かは人それぞれの思い描く「幸福感」であったように思います。そのメッセージを映像に込めました。次代に残していきたいものですね。