版が出来上がるといよいよ印刷です。
私たちの会社はオフセット印刷が主流です。
オフセット印刷とは、版にインキをつけ、版からゴムブランケットに転写(Offset)し、ゴムブランケットから紙にインキを転写する印刷方法のことです。
本の仕様をチェックし、用紙の数量やインキの刷色を準備したら印刷機の設定をします。
まずは印刷機にインキをのせます。(印刷機といえば、コピー機ほどのサイズを想像する方も多いかもしれませんが、沢山のページを1枚の用紙に掛け合わせて印刷するため、印刷機の大きさはワンボックスカーを優に超える大きさです)
インキといっても種類は様々ですが、書籍・パンフレットなどを刷るときには、速乾性が高いインキを使用しています。これは、印刷後すぐに次の製本工程へ流せるようにするためです。
また、用紙も各メーカーごとに種類が沢山あり、厚さ、色味も異なります。その用紙に適した設定でないと、
●印刷中に機械が止まる
●カラー印刷の場合、4色の色が合わず、思ったような色味を出せない
●表面と裏面で印刷位置が違う
●印面がスカスカになる
などのトラブルを起こすため、印刷オペレーターは0.01mm単位で印刷機の設定をしています。
インキをのせ、用紙を積んで機械の調整をしたら、いよいよ版を機械にかけて、印刷が始まっていきます。
印刷中は機械が動いているため、インキを供給するローラー温度の上昇などでインキ量が変わり、刷り始めと終わりで印面濃度が変わってしまいます。安定した印面を保証するために、一定ごとに紙を抜き取って検査し、適正濃度を保っています。また同時に、インキ汚れやゴミのりなども検査しています。
紙は生き物です。温度や湿度の変化によって用紙が伸びたり縮んだり、ゆがんだりすることがあります。用紙の問題だけでもトラブルの原因となり、良い印刷ができません。
そのため工場内を一定の環境に保つことが非常に重要です。