9月13日放送の「情熱大陸」で、ランプ職人・別所由加さんを初めて知りました。
大阪府・八尾市にある「株式会社WINGED WHEEL」という町工場で、毎日ランプを作っている別所さんは、1989年生まれの31歳。日本で最後のランプ職人である彼女が、私たちと同世代ということで親近感を感じ、番組を録画したことがきっかけでした。
WINGED WHEELの主力商品は、「ハリケーンランプ」という大きめのランプ。馬小屋やビニールハウスなどで使われていて、嵐の夜でも灯が消えないことからそう呼ばれるようになったそうです。
別所さんの曾祖父が、大正時代に日本で初めてハリケーンランプを製造してからおよそ1世紀。創業から現在まで一度も形状を変更することなく技術を継承し、今では、5代目の別所さんがただ1人の職人として、町工場を支えています。
ハリケーンランプの製造工程は恐ろしく手間がかかっていて、ブリキの一枚板から完成まで300もの工程を必要とし、2、3ヶ月で50個のランプを作るのが限界だといいます。それでも注文は増え続けていて、予約は5年待ち。アウトドアやステイホームでの癒やしアイテムとして、買い求める人が増えているそうです。
そんななかでも、別所さんの仕事スタイルは変わらず、一つ一つの工程を確実に行い、手間を惜しまず、絶対に手を抜かない。その仕事は、お客さんにランプを発送する最後のところまで貫かれていて、段ボールに貼るガムテープでさえも手を抜かない。
そうやって完成したハリケーンランプが、一つ一つお客さんの手に届いていき、数十年もしくは100年以上使われていくということを考えると、「ランプ作りってすごいな」と思うと同時に、仕事に対する姿勢に強く感じるものがありました。
「嵐でも消えないハリケーンランプ」。5年以上待たなければいけませんが、いつかは手に入れたい物の一つになりました。