株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

絵柄ゴーストとは?

ゴーストというと幽霊や亡霊を意味しますが、印刷中にもゴーストといわれる現象が起こることがあります。もしかすると写真用語などで知られている方が多いかもしれません。

印刷用語辞典によると「印刷機の用紙の流れる方向に沿って平行に並ぶ絵柄が、他の絵柄の濃度に影響を及ぼす現象をゴーストという」と書かれています(「印刷用語ハンドブック 基本編」抜粋)。
あるはずのない濃淡が発生する。まるで幽霊のような現象になることから「ゴースト」と呼ばれているようです。

印刷を行っている作業者が、一度はぶつかるゴーストという現象。特に印刷オペレータが頭を抱える問題です。

ゴーストは、天地方向の絵柄面積の差で、くわえ側で消費するインキとくわえ尻で消費するインキが隣り合わせで極端に違う場合に発生します。
起こりやすいのはベタの中に白抜きがある場合や、上下でベタの面積に極端に差があるときで、同じベタのはずなのに濃度差が生じてしまうのです。

ゴーストは印刷機の構造上どうしても起きやすい現象ですが、解決できない問題ではありません。面付段階でゴーストが起きないように工夫する場合もあります。
印刷用紙の面積に余裕があるときは「捨てベタ」をつくり、インキの消費量を平均化することでゴーストを目立たなくさせる方法もあります。実際にこの方法で成功した仕事もいくつかありました。

印刷では、湿し水もインキもなるべく絞ること。インキの膜厚が多いほどゴーストが顕著に目立つといわれています。湿し水の量が多いと水負けしてインキ濃度が落ちてしまうため、必然的にインキを出さなければならなくなりゴーストが目立つということです。
湿し水を絞ることでインキも絞れるので膜厚が少なくなりゴーストを軽減させることができます。

そのほかローラのニップ幅や、ローラの劣化も影響する場合があるので、日頃のメンテナンスも重要です。
また印刷機械によっては、インキローラの配列や、インキ付けローラを横転させることでゴーストを軽減させることができるものもあるようです。

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