印刷・製本工程では、インキ濃度調整、見当あわせなどの過程で、どうしても製品にすることができない印刷用紙が出てきます。この製品として使えなくなった紙のことを「ヤレ」と呼んでいます。このヤレという言葉、もともと「破れ」からきているそうです。
同じような意味で、損紙という言葉を使うこともあります。印刷する前(インキがのる前)に、使えなくなった紙は白損(しろそん)、印刷後の工程で使えなくなった紙は黒損(くろそん)というように使いわけています。
製品にすることのできない紙なので、できるだけ少なくするように努めていますが、しかし全くなくすということはできません。
そのため印刷用紙を注文するとき、製品の必要数に調整用をプラスして、予備を含めた数を算出します。印刷だけでなく、製本工程でも調整用の紙を使うので、印刷後の工程が増えれば増えるほど、予備はより多く必要になります。
ヤレを無駄にしないよう、印刷・製本の調整の際に使ったりもします。印刷会社にとって、紙とインキは必要不可欠なものなので、大事に扱い、ワンプで梱包し保存しています。
ちなみにこのヤレの行き先ですが、最後には紙を再利用するために業者に引き取ってもらっています。最近は様々な事情で再生紙がなかなか手に入らなくなっていますが、必要な場所に必要な分だけ紙が行き渡るようになればいいなと思っています。