書籍や冊子に使われる紙として、一般的に広く使われているのが、上質紙とクリーム上質紙です。(上質・クリーム上質は非塗工紙というジャンルになり、塗工紙のジャンルではコートやマットコートがよく使われます)
これらは印刷会社で一番よく使う主力の用紙なので、少し紹介してみたいと思います。
上質紙は、市販されているコピー用紙よりも少し黄色っぽいですが、クリーム上質に比べると白色に近い紙です。一番薄い四六判45kgが厚さおよそ0.06㎜、一番厚い四六判180kgがおよそ0.25㎜。四六判ではその他にも55kg・70kg・90kg・110kg・135kgがあり、用途に合わせて使い分けることが可能です。
四六判の他にもA判、菊判などが選択でき、それらの連量(kgで表記。全紙1000枚の重さを表す)を合わせると20種類ほどの厚さやサイズが違う紙があることになります。
一方でクリーム上質は、その名の通り上質よりもクリーム色をしています。白よりもクリーム色の紙の方が目に優しい(長時間読んでいても疲れにくい)ため、本を作るときなどにはクリーム上質を使うことが多いです。
クリーム上質にも厚さ・サイズのバリエーションがあり、A判、B判、四六判を中心に書籍に適した厚みが揃っています。また製紙会社によって、見た目にはなかなか分かりづらいですがそれぞれ個性のある紙があり、「厚みは結構あるのに重さは軽い」というような特徴のある紙もあります。書店で並んでいる本にも、よく見るとそれぞれに個性のある紙が使われているので、おもしろいです。
上質もクリーム上質も“上質”という名前ですが、値段が高い紙ではなく一般的な安価な紙になるので、とても使い勝手がよいです。そのなかでもクリーム上質の“淡クリームキンマリ”は表面の肌触りがよく、裏抜けしにくい紙なのでオススメです。