この夏、社内で「メモ帳を作ってみよう」という話が持ち上がりました。以前作ったメモ帳はサイズが大きかったので、「もう少し小さい方が使いやすいよね…」という声が出ていたからです。その声に応え、手のひらに収まるサイズのメモ帳を作ることにしました。
メモはどんなときでも使う必需品。電話で注文を受けるときや仕事のちょっとした気づきなど、パパッと書き置いておくのに便利ですよね。今回のメモ帳作製では、少し小ぶりなサイズにしつつ、メモを書くスペースを確保することを目指しました。
表紙カットの撮影
メモ帳の表紙を作製するにあたり、ホームページでも使用した関門海峡の写真を撮影するところから開始。私たちに馴染みが深い関門海峡の風景として、火の山から海峡を見下ろす一コマを選び、表紙に配置することにしました。
この火の山は、小学生の頃に遠足で登ったり、初日の出を拝みに行ったり、花見をしたりと、私たちにとってとても身近な山で、そこから見える関門海峡の景色は格別なものなんです。
レイアウト・色の変換
写真を決めた後は、Illustratorでレイアウトをとり、表紙と中身(本文)を別々に作成しました。関門海峡の写真はPhotoshopで加工し、表紙に配置するのですが、このときカラー写真をモノクロ写真に変換する工程があります。
カラーのままでは、印刷するときにCMYKの4色に分解されますが、それでは版を4版作製しなければならず、コストが4倍かかります。コストを抑える面と、単色でもきれいな色を出しレトロ感を出したいという2つの面から、4色の写真を1色に変換するという選択をしました。
この1色のデータが版に焼き付けられ、印刷工程へと回っていきます。
印刷・製本
印刷では、小さいメモ帳をできるだけ多く並べて印刷をします。多く並べることで印刷する枚数を減らし、コストを抑える工夫です。今回は12丁ほど掛けあわせて印刷しました。
表紙も印刷します。本文に巻き付けるため、表表紙、裏表紙のタテの長さと本文の厚みを計算し、面付けしています。Illustratorでレイアウトをとるときから、製本するときに表紙が短くなったりしないように考えて作業しています。
印刷後にはのり付けをおこないます。メモ帳なので、剥がれやすく、ばらけにくいという絶妙なバランスを考えなければいけません。ここは職人がのりやボンドなどの材料を使って、その日の気温、湿度などを考慮しながら配合を考え、丁寧にのりを付けていきます。
のりを付ける場合も、印刷と同じように1冊ずつ作業することはしません。できるだけ多くのメモ帳を同時にのり付けし、作業する手間を省いていく工夫をしています。
メモ帳完成!
この後、表紙をつけて断裁して完成となります。
メモ帳をつくる工程のなかでは、データを作成する段階から最後の製本工程のことを考え、できるだけ作業が効率よく、正確にできる方法を考えています。
どんな仕事でもそうだと思いますが、後工程がスムーズに進行するようにどうすれば良いかが重要ですよね。