印刷・製本にとって大事なのは、紙の揃えです。
印刷工程で刷り上がりの状態を気にかけるのはもちろんですが、製本工程で紙の端を揃えることがその後の製品の出来にかかわってきます。地味な作業ですが、実は重要なポイントです。
紙を揃えるコツは、紙と紙の間に空気を入れるようにすること。紙をつかんだときに人差し指と親指を少しずらすようにし、持ち上げたときに紙をたわませ、空気を入れます。ベテランの仕上工だと、あっという間の作業なので、写真を撮ってもぶれてしまいます。
角がつぶれないように何度かこの作業を繰り返すと、紙は揃います。
どちらかというと、上質紙よりもコート紙のように重量のある紙が難易度が高く、まとめて持つと意外に重たいです。この場合、持つ紙の量を減らすことでやりやすくなります。
また冬は乾燥しやすいので、紙で指を切ってしまうこともあり絆創膏が必須だったり、紙を触りすぎて指紋がなくなってしまったり(笑)。紙は意外とあなどれません。
紙を揃える。これが製本のスタート地点であり、新人が一番にたたき込まれる工程でもあります。