株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

トンボの種類

トンボの役割
印刷物におけるトンボ(トリムマーク)は、基準となる位置を示す大事な役割をもっています。それぞれの役割ごとに、仕上がり寸法を示すトンボや印刷物を断裁したり折ったりする後加工用のトンボ、製版作業の目印となるトンボなど、様々な種類があります。そしてコーナートンボ、センタートンボ(角トンボ)、折りトンボなどの名称で呼んでいます。


トンボの種類
コーナートンボは、2本の平行線で構成されています。
内側の線は仕上がり寸法を示す線(製本の段階で化粧断ちをするための線)で、もう一本の外側にある線は、化粧断ち線の少し外側(約3㎜)で製版処理に必要な面を示す、製版寸法線です。

センタートンボは、おもに印刷物の左右天地の中央に付けるトンボのことをいいます。

折りトンボは、リーフレットなどを作製する際の紙の折り位置を示すためのトンボで、一本線で示しています。

見当合わせの目印となるトンボ
トンボには、多色刷りの際の見当合わせの目印となる役割もあります。

一般的なカラー印刷(オフセット印刷)で印刷をする場合には、CMYK4色のインキを使います。このとき印刷物のコーナートンボの部分を見ると黒色に見えますが、ルーペでよく見てみると、実はCMYKのインキが重なってできた黒色になっていることが分かります。印刷オペレーターは、このトンボを基準に見当合わせを行い、印刷物を作製します。そのため、カラー印刷なのにトンボがK(墨)の単色などで作成されていると、印刷では意味のないものになってしまいます……。

また見当精度が悪いと、せっかく印刷した製品が少しぼやけて見えたりすることもあります。

精度の高い印刷物を作り、仕上がり寸法が明確に分かるようにするため、ほぼすべての印刷物にトンボを付けて印刷しています。

かつての熟練した職人は烏口などを用いてトンボを手書きしていたようですが、今ではアプリケーション上で簡単にトンボを作成することができるようになりました。

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