オフセット印刷機の設定の一つに、印圧があります。印圧とは、印刷時にブランケット上のインキを印刷用紙に転移させる際に加える圧力のことをいいます。
分かりやすい例でいえば、紙に印鑑を押すときに、力を込めすぎると印面が潰れて滲んでしまうし、反対に押す力が弱すぎると印面がカスカスになってしまう現象と同じイメージです。絶妙な力加減で綺麗に印鑑を押すのは意外に気を遣いますよね。
印刷時の印圧もそれと同じ原理で、使用する用紙の厚みや非塗工紙など凹凸の多い用紙の特徴を考慮し、加える圧力を計算して設定しています。
特にカラー印刷では、印圧が適正な設定をされていないと、ドットゲイン量の大小により思った通りの色が出ない原因になったり、用紙の凹凸にインキが盛られずに色ムラが起きるなど、品質の高い印刷物をつくることが出来なくなってしまいます。
「0.1mmくらいの厚みだとあんまり変わらないんじゃない?」と思うかもしれませんが、印圧の違いによってインキの乗り方も変わるので、品質に大きな影響を与える設定の一つです。