秋といえば、秋祭りのシーズン!
今年は「地元を盛り上げていきたい」という主催者の方たちの熱い思いに賛同し、とある秋祭りに出店をしてきました。
祭りで食べ物を販売するのは初めての私たちでしたが、鶏の唐揚げに挑戦してみました。
普段自宅で家族に振る舞うためによく作るとはいえ、唐揚げをメインに販売するとなると、さすがにいつもの味をそのまま出すわけにはいきません。インターネット上や知り合いの口コミ情報など様々なレシピを調べ、約一ヶ月前から味の研究をしました。
■下味をつける
まず下味ですが、「ブライン液」というものに漬け込みます。これは最近主婦のなかで流行っているもので、cookpadなどのレシピにも多用されているものです。鶏肉1kgに対して酒100cc、砂糖と塩をそれぞれ小さじ1杯。これだけで鶏肉が柔らかくジューシーになるというので、ブライン液を採用することに。味の基本になるものなので前日から漬け込みました。
■味の種類を決める
味の種類は、子どもから年配の方まで食べてもらうため、10種類近くの組み合わせを考えて試してみました。いろいろ隠し味を使って凝ったものが良いか、シンプルに決め手となる調味料はないか、そもそも醤油ベースか塩ベースにするか、鶏肉をスーパーで買ってきて何種類も試しました。塩を小さじ1杯ふるだけで味が濃いめになったり、材料によっては焦げっぽくなったりと試行錯誤を繰り返しました。
■衣が大切
唐揚げにとっては、衣もまた非常に大切です。屋外で出店するにあたり、時間が経ってもカリッとジューシーな食感を維持させるため何の材料が最適か…。普段は、片栗粉と小麦粉を1:1で作っていましたが、米粉がいいという情報を得たので、米粉と片栗粉を1:1で作ってみると、おかきのようにカリッと揚がりました。
■米粉と片栗粉の付け方にも変化を
研究をしているうちに、衣の付け方によって揚がり具合が違うことに気づきました。揚げる前に大量の鶏肉に衣をまんべんなくまぶしておくか、それとも一つ一つ丁寧に粉を付けていくかの実験を重ねました。その結果、始めに薄く米粉と片栗粉をまぶしておいて、揚げる前に一つずつ付けていくのがベストだということに気づき、その方法を採用。美味しい唐揚げを作るためにはこの手間がかかせませんでした。
■いざ油へ投入!
下準備ができたら、鶏肉を揚げていきます。鶏肉を油に入れた際に温度が下がりすぎるのを防ぐため、常温に近い状態に戻しておき、油が約150℃になったら鶏肉を投入。時折空気に触れさせながら約2分揚げ、取り出してから油をよく切っておきます。今度は約180℃に温度を上げ、さっと1分間揚げます。
研究を重ねること数回、秋祭りも近づいてきた一週間前のある日、ベストな味付け具合と衣の配合加減の唐揚げが完成しました。揚げてから時間が経っても美味しく「これなら自信を持って出店できる」というものが出来上がったのです!
■そして迎えたお祭り当日。
オリジナルで編み出したレシピを完全に再現できるか、不安もありました。
しかしそんな不安を吹き飛ばすように、買ってくれたお客さんたちが口々に「美味しいよ」と言ってくれました。その美味さが口コミで広がり、なかには数回店舗を訪れる人や、数パック買ってくれるお客さんもいて大盛況でした。
揚げるのが追いつかず、揚げ時間や油の温度を変えようかとも思いました。しかしそれでは美味しい唐揚げを提供できないのではと素人ながらにも葛藤しつつ、少し待ってもらいましたが美味しい物を提供できるようにこだわりました。
研究の成果が結果に表れ、普段の仕事とはまた違う達成感を味わうことができ、翌日からの仕事にも気合いが入っています。