色の見え方が変わる現象のひとつに、プルキンエ現象というものがあります。
これは人の目の網膜上にある視細胞の働きによるもので、昼間の明るい時間帯と夕暮れ時の薄暗い時間帯とでは、見えやすい色が変わってくるというものです。
目の網膜には、錐体細胞と桿体細胞があり、錐体は主に昼間の明るい時間帯に色を識別する働きをし、桿体は逆に暗い時間帯に光を感じる働きをする役割があります。明るい光の下で働く錐体細胞は、どのような色の光も鮮やかに見ることができますが、桿体細胞は暗い場所で働くため、波長の長い光は受け取れず、波長の短い青色~青緑色で感度のピークを迎えます。
そのため明るい時間帯には赤色が目立ちますが、夕暮れ時の薄暗い時間帯になってくると、網膜で主に働く細胞が次第に変化するため、波長の短い青色~青緑色がはっきりと明るく見えるように変化し、赤色の光が暗く見えにくいと感じるようになるといわれています。そのため薄暗い夕方になっても、青色の道路標識は比較的はっきりと見えるようになっているそうです。
この現象のことをプルキンエ現象といい、因みに1825年にチェコの学者であるプルキンエ氏が発見したそうです。そんな時代にこのような研究をされていたことが驚きです。