Illustratorで作成した入稿データをチェックする項目の一つに、『分版プレビュー』があります。
分版プレビューは、オフセット印刷の際にC版、M版、Y版、K版それぞれがどのように出力されるかをデータ上でシミュレーションできる機能です。
お客様から入稿されたデータを確認しているとき、よくあるデータ不備の一つとして、「文字の未アウトライン化による文字化け」、「カラーモード違い」、「塗り足しのないデータ」などとともに、「使用カラーの多色化」があります。
稀なケースですが、素材などをそのまま配置して、使用カラーが10色近くになっているデータの場合、そのまま版を出力すると、当然10色分の版を出すことになるため、CMYK4色に置き換える処理をしなければなりません。そんなとき、分版プレビューを使うことで色の再現を確認することができます。
また分版プレビューは、オーバープリントのチェックをする際にも役に立ちます。
■Illustratorで分版プレビューを使って使用カラーを確認する方法
Illustratorでの使用カラーを点検するのが分版プレビューを使う方法です。
ウィンドウ→分版プレビューを選択し画面に表示させます。
オーバープリントプレビューにチェックを入れます。
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのプレビューをそれぞれ表示・非表示にすると、表示した色の掛け合わせが分かります。
※一般的にチラシやポスターなど大量に作製する物の場合、オフセット印刷機で印刷します。通常だとCMYKの4色で印刷しますが、どうしても再現できない色やゴールド・シルバーなどは特色を使用して印刷しています。そうすると出力する版は、CMYK4色+特色分の版を出力することになるので、版代や印刷代などかかる経費も増えてしまいます。印刷会社に入稿する際には、特色を使う場合を除いてCMYK4色で作成しているかどうか、RGBの画像はないかなど、今一度確認することが大切です。