株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

製本の道具「ホーレン」とは?


ホーレン。
これは印刷所で昔から使っている道具の名前です。
別名、「製本用骨べら」ともいわれますが、ほとんどが「ホーレン」の呼び名で通っています。

今でこそ自動紙折り機がほとんどの印刷会社に設置され、人の手で折ることが少なくなってきましたが、昔はすべての印刷物を手折りしていました。

そのときに活躍していたのがこのホーレン。指で折り目をつけるよりも美しい折り目がつき、製本作業になくてはならないものでした。また「つやべら」ともいい、本の※小口染めの艶出しにも使われていました。
※小口とは本の背以外の三方の辺のことで、本を読むときに頁をめくる側、断裁された切断面のことを指します。

今でも自動紙折り機で折れない厚い紙や極端に薄い紙は、ホーレンを使い折っています。

↑速くきれいに折り目をつけるのが職人技


紙を折ることは一見簡単なようですが、慣れない者がやると意外に手こずります。昔は何千冊という本を人間の手で作製していたと思うと、気が遠くなるような気がします。

ホーレンは、おそらく印刷所の中で一番単純な道具ですが、なくてはならないものの1つです。

折りだけでなく、丁合いや綴じ工程を含め、正確かつ迅速に本をつくる職人技が、日本の書籍文化を支えてきたことは間違いありません。AIなどの最先端技術や、機械に真似できない匠の技は、次の世代に受け継がれていかなければと思うのです。

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