1枚だとぺらぺらで軽い紙でも、それを1000枚、2000枚、3000枚…と積み重ねていくと、高さとともに重さが加わってきて、動かすのにもちょっとした力が必要になってきます。見た目以上に紙は重いので、印刷機や折り機にセットするときも一つ一つ注意が必要になります。
さて印刷中や紙を折るとき、機械上で積み重ねた紙を給紙するのですが、その際に紙同士がひっついてしまい、2枚が重なったまま機械に通るということがまれに起こります。このことをその言葉通り、「2枚取り」と呼んでいます。紙1枚分の厚さで設定しているのに、倍の厚さの紙2枚がローラの間を通ってしまうということになり、通常よりも圧力がかかるため、機械を傷めてしまうことにつながります。
そのため、手作業・機械での作業にかかわらず、「紙をさばく」という工程が大切になってきます。
2枚取りを防ぐために機械ではどうなっているかというと、給紙部分に1枚ずつ紙を吸着する部品とともに、紙さばきエアーが付いています。
これは紙の断面に空気を吹きつけることで、1枚ずつ紙を給紙できるような仕組みになっています。
空気の吹き込みが弱すぎると、1枚ずつ紙を持ち上げることができず、給紙がうまくいきません。逆に吹き込みが強すぎると、2枚、3枚と重なったまま給紙されてしまいます。紙の重さや種類、状態によってエアーの強さを調整して、“ちょうどいい”状態をつくれれば、給紙がうまくいくようになり、作業も安定します。