株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

チラシの印刷代が1000枚→500枚で殆ど変わらない理由

チラシを印刷したい」と思ったとき、サイズや紙質、カラーかモノクロかなどを決めていきますが、何よりも金額がいくらになるかは重要な問題だと思います。ということで今回は、なぜ1000枚→500枚で印刷代がほとんど変わらないのかという件について、印刷の工程を振り返り理由をまとめてみました。

■小ロットの場合、印刷方法の違いで変わってくる

一般的にチラシを印刷する際、オフセット印刷とオンデマンド印刷(POD)の2種類で行なうことが多いです。(オフセット印刷について

オフセット印刷は大ロットの印刷に向いていて、プロセスカラー印刷なら4枚(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の刷版(CTP版)を出力してオフセット印刷機にかけ、印刷していく方法。対するオンデマンド印刷は小ロットの印刷に向いていて、原稿データから直接印刷していく方法になります。

オンデマンド印刷であれば、版を出力することなくそのまま印刷できるので、50枚や100枚といった少ない数では、オフセット印刷より手間がかからず安く印刷することができます。逆にオンデマンド印刷のデメリットは、大ロットになればなるほど通し単価がかさむということ。一度に4丁、8丁と面付けして刷ることができるオフセット印刷に比べて、インク代やトナー代がプラスでかかってしまうのです。

そのため、多くの印刷会社は受注した仕事の状況や印刷内容に応じて、オフセット印刷とオンデマンド印刷を使い分けながら作業を行なっています。

■1000枚→500枚でなぜ半額にならないのか

以上のように、オンデマンド印刷とオフセット印刷には大きな違いがありますが、今回は500枚、1000枚のチラシ印刷を、オフセット印刷機で行なった場合について見ていきます。

その際の印刷にかかる経費は、大まかに分けて以下のようになります。

(1)印刷用紙代(コート紙やマットコート紙など)
(2)データ作成費(WordやExcel、PowerPointなどのデータをRGB→CMYKに変換し、塗り足しや画像処理などをおこなう費用)
(3)面付け、CTP版出力費用(作成したデータを面付けし、刷版を出力する費用)
(4)印刷費用(オフセット印刷機に、出力した刷版、用紙、印刷インキをセッティングし、印刷の状態を検査する試し刷り作業後、本刷り作業を行なう費用)
(5)製本加工費用(印刷機で印刷した用紙:刷り本を断裁し、A4規格などのサイズに仕上げる費用、包装代を含む)

この経費を見てみると、(2)のデータ作成費、(3)の面付け、CTP版出力費用は固定費で変わらず、(4)の印刷費用、(5)の製本加工費用も500枚と1000枚とではほとんど作業時間と工数が変わらないことになります。
※唯一変わるのは(1)の印刷用紙代ですが、これも全体に占める割合が低いため、用紙代が半額になってもすべての経費からするとほとんど変わらないという結果になります。

■本当に何枚刷りたいのかを見極め、適切な枚数を発注することが大切

このように小ロットの場合オンデマンド印刷の方が印刷代を安くできること、オフセット印刷の場合は固定費が多くかかるため、できる限り多く印刷した方が1枚単価を安くできるということが分かります。(もちろん、刷りすぎて大量に余ってしまってはいけませんが…)

このため実際に必要な枚数を改めて確認し、小ロットの場合は100枚のみで良いですし、予備分も含めて2000枚や3000枚程度必要と感じた場合は、迷わず多めに印刷していた方が得策ということになります。(500枚印刷した後に、プラスで500枚印刷することになると、ほぼ2倍の費用がかかってしまいますが、最初に1000枚印刷しておけばそこまでの費用がかからずにすみます)

印刷をご検討の際には、ある程度余裕を持った枚数を確定後、入稿することをオススメしています!

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