大学の論文や小説・エッセイなどの書籍印刷は、基本的に墨(モノクロ)で印刷を行なうことが多いですが、読み手が頁をめくるごとに文字の濃淡があると読みにくかったり、本として非常に格好悪いです。
そこで頁物(モノクロ)の印刷を行なうときも、カラー印刷と同じように余白にチャート(下の写真参照)を入れて印刷を行ない、印刷時のムラがないようにしています。
文字だけだと線が細く濃度が分かりにくいときがありますが、上の写真のようにベタ(スミ100%)を入れることでインキがどのくらい出ているかを確認することができます。
また頁の多い書籍や部数の多い冊子を印刷する場合、印刷量に比例して乳化、地汚れなどの印刷トラブルが発生する可能性が高くなるので、90%のアミを入れておくとインキの状態が分かりやすくなります。ベタ部分の濃度は薄いのに90%のアミが綺麗に出ないときはインキの乳化の可能性があるなどの予測ができます。
印刷中は、インキが乳化しないように常にインキと水のバランスを見ながら、ベストの印刷面になるようにしています。