この写真は全自動紙折機の部品の一つで、ハサミレバーと呼ばれるものです。
印刷後の紙を折るとき、折られていく紙はいくつものローラの間を通過していきます。その際に、このハサミレバーを使って圧力を調整するのですが、バネの間に折る紙と同じ紙質・厚さの紙を挟むことによって、ローラとローラの間隙を調整しています。これが調整の第一段階です。
折り方の種類によって、ローラ間を通る紙の厚さが変わってくるので、1のローラは2つ折り、2のローラは1枚で、というように重ねる枚数を変えています。
また調整するネジがローラの両側についていて、折った紙の状態を見て、圧を強くしたり弱くしたりしています。同じ紙質で同じ厚さの紙を折っていても、その日の気温、湿度、紙の状態によって調子が変わってくるので、毎回毎回この微調整が欠かせません。これが調整の第二段階になります。
折りが微妙に斜めになるときには、ローラの間に紙を通して調子を確認しながら、直角に折るためにこのネジを少しずつ動かしていきます。
また、ローラについたパウダーやインキなどの汚れが影響することもあるので、掃除も大切になってきます。
紙の種類によっては、しわが入りやすかったり、微細な調整が必要な紙もあります。
折りが斜めになった紙を見ながら調整しているうちに、圧を強めるのか、反対に弱めるのかが分からなくなってしまうこともありますが、折った紙の状態を見てサッと調整できるようになるのも、やはり経験の蓄積がものをいいます。