11月も残りわずか。すっかり秋も深まり、冬の足音が近づいてきました。
下関の街も晩秋の雰囲気を感じるようになり、木々の色付きにいちいち感動しています。(写真で撮ると、見た目の半分も伝わらないのがもどかしいですが…)
■紙の銘柄「タント」
さて、紅葉といって紙の色を思い浮かべるのは、紙を扱う印刷会社の宿命かもしれません。
紙の銘柄の1つ「タント」も、紅葉を思わせる色がラインアップされています。
先日お客様に納品した「自費出版」の見返しにも使用しました。
「タント」の表面は、やわらかいランダムなエンボス調。本の表紙や見返し、チケット、しおり、ラベル、案内状、封筒などに使う特殊紙です。力強い肌触りの「岩はだ」とは違って、やさしくとてもオシャレな雰囲気があります。
やわらかく凹凸があり、インキがのりにくいので、実際に印刷機で刷るときは、印圧をかけて印刷します。
■紙の「タント」と車の「タント」
ところで、ダイハツの軽自動車「タント」も同じ名前です。
実は、紙の「タント」も車の「タント」も、名前の由来はイタリア語やスペイン語で、「とても広い、たくさんの」という意味からきています。
紙のタントは“たくさんカラーバリエーションがある”ということから名前が付けられ、車の「タント」は“たくさんの幸せをもたらす車でありたい”ということから名前が付けられたそうです。
どちらの「タント」も“たくさん”という共通の意味があると同時に、それぞれ異なった意味合いももっていて、名付けた人のセンスが感じられます。紙の由来を調べると、もっと紙選びがおもしろくなりそうです。
本をつくる第一段階の紙選びの際は、紙を直接手にとり、風合いを確かめてから選びたいですよね。紙を選択するときの楽しみは、本づくりの醍醐味の一つかもしれません。