今回は、断裁作業について改めて気づいたことを紹介します。
普段は印刷部で仕事をしていますが、先日仕上げ(製本)作業の応援で断裁をすることがあり、チラシの仕上げ断ちをやることに。
仕上げ寸法にあわせて線引きをしてみると、実際の仕上げ寸法よりも1㎜弱縮んでいました。冬場の乾燥で湿度が下がり、紙が縮んでしまっていたのです。さらに紙が湾曲して揃いが悪かったり、左右で紙の伸びが違ったりして、同じように断裁してもレイアウトが変わってしまい苦労しました。
チラシなどの印刷物を刷るときは、同じ製品をいくつも掛け合わせて印刷します。そして最後の仕上げ断裁で、簡単に言うと2等分や4等分、8等分にすることで仕上げ寸法(A4やB5、A5など)通りに加工。そこで初めて製品として完成します。
印刷物には、基本的に仕上げ寸法がトンボ(トリムマーク)という形で印刷されており、それが製品の正確なサイズになります。しかし、実際の作業では紙の伸び縮みで仕上げ寸法通りに断裁できるとは限りません。
針側と針尻側、咥え側と咥え尻側で紙の伸び縮みが違ったりするので、必ず定規で測り正確な寸法を出して作業をします。切った製品がどれも同じ大きさ、同じレイアウトにならないといけないので、紙の変化が激しいと特に難しい。一度断裁してしまうと元に戻せないので慎重な作業が続きます。
一番製品の出来に直結するのが湿度の変化。冬場のこの時期は、湿度が低く乾燥が激しいので、紙が縮んでしまうことがあります。逆に夏場は湿度が高いので、紙が伸びてしまうことも。そのため複写伝票や裁ち落としなど正確な断裁が必要なときは、製品と製品の間にドブをいれて2度裁ちすることで、誤差を少なくする工夫をしています。
印刷作業でも温度、湿度管理は大事ですが、今回仕上げ作業をやってみて改めてその大切さを感じました。普段やらない作業をやることで感じることや新たな発見があるので、大事だなと思いました。