先日、山口県立下関西高等学校定時制の文芸誌『燈影』の最終記念号を弊社にて作製し、学校へ納品させていただきました。
夜間中学校時代から数えるとおよそ80年におよぶ歴史のなかで、変遷はあったものの60年以上前から文芸誌の印刷・製本のご縁をいただいたことに感謝の思いを痛感するとともに、西高定時制としての歴史を閉じてしまうことに寂しさも感じています。
最終記念号ということで、『燈影』通常号に加えて、「夜間教育79年間の軌跡」という記念誌部分が掲載されています。戦中の夜間中学校時代、空襲の合間をぬって命がけの授業が行われていたこと、戦後の混乱期のなかで優秀な若者たちが学校づくりを進めていったこと、そのなかで自治組織の文化部によって『燈影』第1号が発行されたこと(その8ヶ月前に『陵陰』という文芸誌第1号が発行)などが記されています。
また、文化部主催で昭和25年に始まった「討論会」、個人の主張を競い合う「弁論大会」が現在の「生活体験発表大会」につながっていったこと、文化祭・予餞会・修学旅行・全日制との合同体育祭や夜の体育祭・クラスマッチ・学校給食~食堂の歴史・校舎内外の清掃まで、72号分の歴史が詳細に記されています。
「79年間の軌跡」の「終わりに」に記されている「小さい規模だから通うことが出来る、数十分以内で通える近くの学校があるから続けられる。そうした若者の学び・成長を保障する場を消してはいけない」との文章に、先生方の思いが詰まっている気がしました。
西高定時制は閉課程となりますが、多くの卒業生の誇りある母校として生き続けていくことを、この冊子を作製させていただくなかで感じさせていただきました。
最終記念号まで関わってこられた多くの先生方や卒業生の皆様、そして今年度の『燈影』作製でお世話になった西高定時制の先生方、ありがとうございました!