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写植機のことⅡーフォント変更は文字盤を丸ごと入れ替える

※写植機のイメージ画像
■フォント変更は文字盤を丸ごと入れ替える
フォントを変えるときは、文字盤を丸ごと入れ替えないといけません。明朝体・ゴシック体はもちろん、丸ゴシックや、楷書体、同じゴシック体でも大きなサイズに適した太めのものなど、様々な種類がありました。文字盤は、ガラス板にネガフィルムを挟んで作られているので、扱いにはとても神経を使っていました。

↑メインプレートには合体された12枚の文字盤が乗っている。空いている右側のサブプレートに1枚づつ文字盤を乗せる。


↑ナール書体の文字盤


■文字盤の文字配列 一寸の巾~
写植機の文字盤には、下の画像のようにたくさんの文字が並んでいて、オペレータはその位置を覚えていないと印字ができませんでした。この文字配列は、「一寸の巾」式配列が使われています。
※「一寸の巾」式配列とは、文字を扁(へん)や旁(つくり)などの字形で51種類の要素に分類し、「いっすんのはば」から始まる覚えやすい語呂順にならべた配列法。漢字が読めなくても、基本見出しさえ覚えていれば、字形で印字することができた。

当時は、「一寸の巾鍋蓋進入は…♪」と歌のような語呂合わせを頭に叩き込み、必死で配列を覚えていました。PC入力のように「カチャカチャ」と打つことはできませんが、慣れてくると文字盤のどの位置にどの字があるかが頭に入ってきて、ラックを上下左右に自由に動かしながら印字できるようになったものです。

次回は、Q数レンズのことを紹介します。

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