「これ、鉛筆画です。」
このタイトルに惹かれ、小倉のリバーウォークまで行ってきました。
一言では言い表せませんが、とにかく度肝を抜かれました。
1月2日の休刊日をのぞく364日、毎日毎日、模写した新聞一面に自画像を描き続けたそうです。新聞を拡大して写真を撮らせていただきました。
このコスモスの作品の制作中に吉村さんは病に倒れ、絶筆となりました。
吉村さんの作画技法は、「まず題材になる写真を撮影し、マス目を引いて、それをさらに拡大して鉛筆でマス目を描き、一マスごとに模写していく」という方法で、忍耐と根気のいるとても緻密な作業。最後の作品には、マス目に描く途中で断念せざるを得なかった当時の様子がそのまま残されていました。
圧巻だったのは、「無数の輝く生命に捧ぐ」という藤の花の原画(202cm×714cm)。2年の歳月をかけて描いたこの作品は、東日本大震災をきっかけに、1枚1枚の花びらに一人一人の命を描いているそうで、吉村さんの優しい心が伝わってきました。
静かな時が止まったような空間の中で、心休まる時間を過ごさせていただきました!