冊子を製本するとき、一つ一つの製品ごとにサイズ、紙質、綴じ方、デザインなどが変わるので、その都度適切な対策をとる必要があります。そのなかでも、見開きのページ全面を使って断ち落としのレイアウト(塗り足し)をしているページは要注意で、製本時にトラブルが起こらないよう、さりげなく対策を施しています。
注意が必要なのは、無線綴じ冊子やあじろ綴じ冊子といった糊を使って製本する製品。ノド側(綴じる側)ぎりぎりまで印刷すると、インキが乗った部分は糊がつきにくくなってしまいます。こういう場合、より糊がつきやすくするため、面付けの段階から対策をとります。
無線綴じの場合は、綴じる側を1~2ミリ削って糊付けするので、その分仕上がりサイズより大きくレイアウトします。そして、削る部分は白(印刷しない)にして、より糊が入るようにしています。
あじろ綴じの場合は、折った側にスリットが入るのでレイアウトを広げる必要はありませんが、この場合もより糊が入るように、ノド側1~2ミリを白にしています。
最終的にどういう製品を作るかによって、デザインやレイアウト段階から注意することが変わってくるのが冊子の作製。印刷後の製本段階では手遅れになってしまうので、より早い段階(刷版を出す前)での対策が必要になります。そのような一つ一つの対策がはまって製品が完成し、お客様に喜んでいただけたときは、「良かったなぁ」と少しホッとした気分になります(´▽`)。