株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

仕事のなかでしか掴めない感覚

製本作業に関わりはじめた頃、なぜ? どうして? と疑問に思うことが多々ありました。

それまで紙を扱ったことがなかったこともあり、初歩的なことでさえも分からないことだらけ。それだけに、この頃はよく言われたことをメモしていました。

しかし、実際に作業するときには、実践あるのみです。
紙を持つ位置、持ち上げ方、紙のさばき方……。
紙を揃えること一つとっても、思うようにはいきません。先輩が何事もないようにこなしていく隣で、その何倍もの時間がかかっていました。

時間がかかるうえに、変に力んで力任せにやってしまうと、角はつぶれるわ、手で持った部分は汗でベトベトになるわで、後で見てみると誰が作業したのか、一目瞭然。この紙さばきのコツを掴むまではなかなか大変でした。


弊社は、自動化された最新の機械が揃っているわけではないので、手作業で行なう仕事も多々あります。故に、プログラミングされたシステムにはない、一人一人の感覚が大切で、この感覚は仕事のなかでしか掴めないんですよね。それぞれの作業者の感覚が一致することで複数人での仕事が前に進みだし、やがて一つの本が出来上がっていきます。

先輩に直接指導していただくなかで感じたのは、紙の状態をよく掴むことが大切だということです。そのときも紙の状態を感覚で掴み、力加減や積み重ねる量など、微調整していました。先輩方も感覚的なものを口で説明するのは難しかったようですが、いざ自分が同じような作業をしてみると、そのとき言われていたことが分かるような気がします。

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