“芸術の秋”ということで、今回は音楽の話題を。コロナ禍でしばらく途絶えていた、海外の一流芸術家の来日が再開し、今年は北九州国際音楽祭に世界屈指のオーケストラ・ロンドン交響楽団がやってきました!
『スターウォーズ』のサントラを演奏した楽団といえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。あの映画冒頭の壮大なサウンドが有名ですが、イギリスを代表する名門のロンドン響、今や人気・実力共に世界のTOP5に数えられるスーパーオーケストラです。
そして指揮者も超大物のサー・サイモン・ラトル! 世界最高峰といわれるベルリン・フィルの芸術監督も務めた、世界トップクラスの指揮者です。
こんなチャンスは二度とないので、今回はもちろん、行ってきましたよ! まさか生で聴ける日が来るとは…。
公演パンフレットはこちら↓。
マット調の表紙でシックな肌触り。44頁の糸かがり綴じ並製本で、内容もインタビュー記事や来日演奏記録など、大変充実したものでした。
さて肝心の演奏の方ですが…。もう…素晴らしすぎて言葉になりませんでした。
一曲目のワーグナーが始まったとたんに「すごい!」と心の中で叫んでいました。
湿度を感じるしっとりとした響きの弦、輝かしくも節度のある金管、ため息がでるほど美しい木管、それらがラトルの指揮のもと見事にブレンドされて息を呑むほどの美しさ。全てのフレーズにコントロールが行き渡っていて、格調高い響きに驚きの連続でした。しかも一切乱れることなくビシッときまるアンサンブル。こんなにすごいとは!
日本ツアーの最終日だったこの日は、ショパンコンクールの覇者で超人気のピアニスト、チョ・ソンジンとの共演があり、ラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』は切れ味抜群の演奏でした。完璧なテクニックで縦横無尽に駆け回るピアノにピッタリとつけるオーケストラの巧さと迫力は圧倒的! 前半から会場はスタンディングオベーションでした。
そして『威風堂々』で知られるイギリスの作曲家・エルガーの『交響曲第2番』。来日オーケストラのプログラムに載ることはまずない隠れた名曲ですが、本当に素晴らしく、雄大な夕日がゆっくりと沈んでいくようなフィナーレに涙が出そうなほど感激しました!
年に一度はいい芸術に触れたいものですが、この度は破格に素晴らしい体験でした。これからは円安の影響で海外の優れた芸術家を呼ぶのも困難になるそうですが、こうしていい芸術に触れる機会をつくってくださる関係者の方々には感謝しかありません。ありがとうございました!