最近では、撮影した写真をスマホのアプリを使って、誰もが簡単に修整できるようになりました。暗い写真を明るくしたり、彩度を高めて鮮やかにしたり、モノクロにしたり、セピア調にしたりと、スマホ一つでさまざまな効果を加えることもできて、とても便利ですよね。
そんな便利な画像修整機能ですが、画像を劣化させないために注意しなければいけないことがあります。
私たちが印刷物を作成する際の画像補正で気を付けていることの一つに、「トーンジャンプの発生の有無」があります。
トーンジャンプは、階調飛びとも言われるように、画像のグラデーション部分などでなだらかな階調がなくなってしまうことを指します。なだらかな階調がなくなってしまうと、たとえば綺麗な空模様のグラデーションの途中に、境目のように縞模様ができてしまったりするので、画像がどうしても不自然に見えてしまうことがあるんです。
とくに空模様や人肌など、中間調部分の淡い色で出やすいのが特徴で、過度な加工補正をすることでトーンジャンプが発生します。そのままの画像が印刷されてしまうと、修整箇所が見えてしまい、フォトレタッチャーとしては少し残念な気持ちになってしまいます。また、適正な画像サイズでない小さいサイズの画像も、トーンジャンプ発生の要因になります。
トーンジャンプが発生した画像を完全に元に戻すことはできませんが、再補正でぼかしたり、ノイズを加えることにより軽減させることはできます。しかし、その度に画質は劣化しているので、やっぱり最初から過度に補正しすぎないことが肝心です。