先日、初めて製本工程に携わる社員に、紙を揃える作業を教えていると、なんかしっくりこない様子。
紙に慣れていないという面はあるものの、見ているこちら側も「なにか違うな」という感じがしたので、もしかしたらと聞いてみたら、実は“左利き”とのこと。紙を掴む手を反対に変えてもいいことを伝えると安堵していました。
普段の作業中はあまり気にしていませんが、利き手が違うと作業効率が変わってしまうこともあります。印刷機や製本機械などは、操作する部分や紙を入れる向きなどが右利き用に作ってあることが多かったり、通常右利きの作業者が行なう作業と逆の作業になってしまったりするので、初めは同じように作業することが大変だったりするんです。
そんな場合は、個人個人の利き手に柔軟に合わせることで作業が円滑に進むよう、解決できるものはその都度解決するようにしています。
通常は作業者の利き手に合わせたり、それぞれの作業者がやり易いように物を置く位置を決めたりしていますが、そんななかでも「絶対に向きを変えない」という作業があります。
それは、スクラム製本(6頁や10頁など)や簡単な中綴じ製本などの中入れ、丁合作業です。
この場合は、中に入れる順番を間違えるとノンブル(ページ番号)が続かなくなるので、誰が作業(途中で交代)しても間違い(乱丁)が起こらないように、左から丁合をとる順に並べるように、置き方を統一しています。
それぞれに合わせて柔軟に変えていく作業と昔から変えていない作業。作業効率ややり易さもありますが、やっぱり一番は「正確な製品を作る」ということを大切にしています。