株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

ノンブルのこと。

毎日仕事や学校、家などで何気なく手に取っている書籍や雑誌。
今回は、弊社でこれらを組んでいくときに気をつけていること、標準ルールを少しずつ紹介していきたいと思います。

■ページ各部の名称
本の1ページ目を開くと、まずは本のタイトルがあらわれ、次に本文が目に飛び込んできます。本を開いた見開きページの各部分には、レイアウトよく組むために、いくつかの名前がついています。


■ノンブル
ノンブルとは、書籍につけるページ番号の数字のこと。
柱やノンブルは、一冊の本全体を通して同じ位置につけるのが原則で、はじめに基本の設定を作っておく(柱やノンブルの位置・大きさ・書体・サイズなどを決める)と、自動的に最後のページまで流れるようになります。

各ページに入るノンブル、柱、インデックスといった要素は版面の外側におかれています。
組版作業では、ノンブルが全てのページで同じ位置になっているか、また裏表で同じ位置に揃っているかを確認します。文字のサイズは本文より小さくします。

ノンブルには、いろいろな形式があります。
活版印刷時代は、本文と柱、ノンブルをあまり離しませんでしたが、オフセット印刷になり紙の印刷面全体を使えるようになってからは、レイアウト的に本文から離すことも多くなってきたようです。

本のノンブルの位置は、地側の左右か、版面のセンター、天側の左右に打たれていることが多いです。


ノンブルの打ち方には決まりがあります。本の流れに沿って、表ページが奇数、裏ページが偶数です。

見開きで考えてみると、縦組みの本では右ページが偶数、左ページが奇数。横組みの本では左ページが偶数、右ページが奇数となります。これは一番最初に組むときの決め手となるので、とても大事な要素です。例えば、論文などの章見出しを改ページで起こすときは、ノンブルはすべて奇数起こしになります。

タイトルや章見出しが入る本扉や中扉、目次、まえがき、商業広告ページ、奥付などには、ノンブルを入れないこともあります。ノンブルは印刷されませんが、ページとしてはつながっているので、これを「隠しノンブル」と呼んでいます。ノンブルは、印刷製本工程において重要な役割を持っているので、できるだけ入れた方が間違いが少なくなり、読み手にも親切な本になります。

本を読むとき、無意識のうちに必ず目にしているノンブル。シンプルですが、実はこんなにも決まりごとがあり、奥が深いです。

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