まれにですが、「見返しって何のためにあるんでしょうか?」と聞かれることがあります。
以前も「手帳の見返し」というブログで紹介しましたが、見返しとは、表紙の裏と本文のノドに接着して、表紙と本文をつなぐ役割を持った紙のことです。
表紙の反りを防ぐ効果があるので、見返しが貼ってあると本の強度が上がり、耐久性も増します。上製本には必ず見返しがあり、並製本ではつけるものとつけないものがあります。
見返しに使う紙の種類やカラーバリエーションはたくさんあり、本を手にとったときの装丁の美しさや重厚感に大きく関わってくるので、紙選びもこだわります。雑誌など、長期保管をそれほど必要としない書籍にはつけないことが多いです。
印刷会社として、見返しの装丁を考えるとき、1冊につき必ず表紙と裏表紙の2カ所につけるので、紙の計算も2倍、作業も2倍で考えます。
■並製本に見返しがつく場合の作業工程(少部数の場合)
まず見返しに使う用紙を断裁して、2つ折りにしておきます。
丁合して無線綴じ機で綴じた後、見返しにのりをつけて、表紙とつなぎます。
手作業で、1冊1冊、あて紙をおいて刷毛でムラなく丁寧にのりをつけていきます。
見返し全面にのりを入れる場合と小口のり(本の小口側に少しだけのりをつけること)の場合があり、今回は小口のりの画像です。
見返しにのりが入るとこんな感じになり、完成も間近です。