株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

並製本あれこれ

弊社では、お客様が並製本をご希望の場合、無線綴じ機を使用してホットメルト型接着剤を塗布する、アジロ綴じ・無線綴じ製本を行なっています。

↑溶かす前の固形の糊。リサイクル適性Aランクの環境配慮型のホットメルトを使用しています。


■綴じ方について
アジロ綴じとは、折り目部分にスリッターを入れ、糊が入りやすくしている綴じ方のこと。通常はこの方法で製本をしています。


また、下の写真のブラシの下にあるカッター刃で本身にミーリングをかけ、糊が付く面をギザギザに加工して糊を入れるのが、無線綴じです。


ミーリングをかける無線綴じの場合、ノド側(綴じる側)が1~2ミリ削れてしまうため、ノド側ぎりぎりまで印刷がある場合は注意が必要になります。

■最大・最小厚さ、最大・最小サイズについて
また弊社が使用している無線綴じ機は、本身の厚さを最大65ミリまで製本することができます。なかなかこれ以上の厚さというのはありませんが、65ミリ以上は製本機のクランパに入れることができません。
さらに、本身が厚くなるにつれ、開きにくくなってしまうほか、背に糊が入りにくくなるため、ページが外れる可能性が大きくなります。ですので、極端に厚い本はあまりおすすめしていません。

冊子のサイズは、A4やB5といったJIS規格以外にも、いろいろとカスタマイズすることができます。最大サイズは、天地320ミリ×幅320ミリになります。

天地と小口の三方を仕上げ裁ちした方がきれいに仕上がりますので、それぞれ3ミリずつ切ったとして、実際の最大サイズは天地314ミリ×幅317ミリになります。


逆に最小サイズは、天地105ミリ×幅145ミリとなります。これも三方を各3ミリずつ切るとして、実際は天地99ミリ×幅142ミリになります。

ちなみに、推奨の最小の厚さは1ミリになっていますが、本文が2ページや4ページといった極薄の製品にも対応しております。

■表紙について
並製本では、製本に用いる表紙の指定も重要になってきます。

【使用できる表紙の厚さ】
・上質紙  81.4~302.4 g/㎡(四六判連量70~260kg)
・アート紙 104.7~348.9g/㎡(四六判連量90~300kg)

紙質にあわせて、厚い場合は筋を入れたりします。これは、安定して表紙が供給されなかったり、背文字がずれたりする確率が高くなるためです。

また同じ紙質・大きさの紙を使っても、紙の目が違うと、仕上がりに大きな差が出ます。
例えば、A4やB5サイズの製品で「レザック66」を表紙に使う場合、四六判ヨコ目しかない関係で、紙取りによってどうしても逆目を使わなければならないという場合があります。
この場合、表紙が波打つ現象が起こりやすいです。


表紙の最大寸法は、天地320ミリ×幅670ミリ。
逆に最小寸法は、天地135ミリ×幅225ミリ。

このサイズ内であれば、本身サイズより幅を広くして、内側に表紙を折り込む形式も可能です。

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