株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

モノクロ写真の画像処理

弊社では、写真集や記念誌などの写真について、カラー写真をモノクロに変換(グレースケールに変換)して処理をし、印刷することがよくあります。今回は、モノクロ画像※のデータ処理でこだわっているところ、気を付けている点などについて、紹介していきます。
※厳密にいえば“モノクロ画像”と“グレースケール画像”の意味合いは異なりますが、今回はブラック(墨)インキで印刷するグレースケール画像について、一般的に使われている“モノクロ画像”と表現しています。

■画像の解像度について
弊社では、モノクロ画像の解像度を400dpi(カラー画像の場合は一般的に350dpi)とし、ハイライト~中間調~シャドーの細かい部分まで、再現できるようにしています。

ご入稿いただいた画像データが小さい場合、実際に使用する写真のサイズに数値を合わせた後、解像度を400dpiに設定すると画像を拡大することになってしまいます。このことから、お客さまには撮影したままの元データ(できるだけ容量の大きいもの)をご入稿いただくことをお願いしています。

画像解像度を400dpiにすることで、滑らかな階調表現が可能になるので、とても重要な作業です。

■画像処理について
ここからは、解像度を設定した画像をPhotoshopで処理していく工程になります。トーンカーブやレベル補正、明るさ・コントラストなどを駆使しながら、暗い写真やねむい(平べったい)写真を、コントラストを自然に見える範囲で強くし、見た目をシャープに、人物の表情などが明るくいきいき見えるように処理していきます。

この段階では、印刷物の写真を見た人が処理したことに気付かないぐらい自然な処理をすること、なおかつ暗くねむい写真を明るくすっきりと見えるようにすることが求められます。さらに、モニターで作業しながら見ている画像と実際にオフセット印刷機で印刷した際の画像の変化を想像しながら処理をしていくので、とても繊細な作業になります。

また元のカラー画像があまりにも暗い場合は、カラー画像の段階でなるべく明るく調整したうえで、モノクロ画像に変換し、画像の劣化を防ぐことも行なっています。

作業後にはPSD画像で保存。PSDファイルで保存することで、Photoshopで行なったすべての作業(調整レイヤー等)を保存することができると同時に、画質の劣化を防いでいます。
こうして保存した画像をIllustratorやInDesignの組版データ上に配置し、DTP作業を進行していくというのが流れになります。

このブログの冒頭で“できるだけ大きなデータでのご入稿を”と書きましたが、最終的な組版(デザイン)データとして保存する際には、“品質を損なわない程度のなるべく小さなデータで保存”というのが必須になります。これは、データが重いと次の工程(校正出力、面付や刷版出力など)時に作業が遅くなってしまったり止まってしまったりすることや保存容量の問題などから大切なことになります。
最近は1TBや2TBのハードディスク(SSD)も珍しくなくなっているので以前よりは格段に保存容量が増えていますが、何でも適度な量が丁度いいというのは今も昔も変わらないのかもしれません。

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