株式会社吉村印刷

印刷を楽しむブログ

自費出版「影と光とⅡ」のデザイン・印刷・製本を行いました


このたび、福岡市在住の筆者からご依頼を受け、自費出版の書籍「影と光とⅡ」を作製しました。

集録しているのは、筆者が1950年代から書き記してこられたエッセイや書評などの数々。当時の写真や、本文内容にふさわしいカットなどを織り交ぜながら、80年以上歩んでこられた歴史を振り返る内容となりました。

依頼をいただいた際の原稿は、新聞や雑誌の切り抜き・手書きのメモなどで、その原稿を年代順に並べ、一字一字の文字を入力するところからスタートしました。
様々なタイプの紙原稿を年代順に並べることにも四苦八苦しましたが、すべての文字を手入力する作業はさらに正確さが要求されるものでした。スピードよりも誤字脱字がないように心を砕きました。

文字入力後には、専用ソフトにて体裁を整える組版を行い、数回の校正を実施。350頁に及ぶ本文は、弊社工場の内部校正と筆者の校正により、より正確さを追求しました。

責了(責任校了)となったら、いよいよ版を出力し、印刷へ。両面印刷機で印刷する際には、ノンブル(ページ番号)や柱がずれないようにすること、インキの汚れや版上のゴミなどが印刷面に付かないようにすることなどに注意を払いながら、慎重に作業を行いました。

↑印刷中に印面を点検


印刷が終わると製本工程がスタート。紙を折るところから、丁合、無線綴じ、見返し糊付け、カバーかけまで、一冊ごとに点検を行いながら丁寧な製本を心がけました。

↑紙を折って丁合へ


↑無線綴じ機で製本


↑見返しと表紙を糊付け


↑カバー巻き


今回の書籍作製を終えて、筆者の「本として残しておきたい」との思いを形にすることができ、ホッと安心すると同時に、とても嬉しく感じました。紙原稿からデータを作成し、一冊の本になったときの感動はとても大きく、また原稿整理や本の体裁という面でも学ぶことが多かった気がしています。

製作を依頼いただいた斎藤末弘先生、ありがとうございました。

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