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校正の目ー論集・紀要の校正

大学や研究機関の論集や紀要は、研究成果の公表のみならず、執筆者をはじめ他者による今後の研究や多面的な考察へと繋がり、後世に残る学術論文です。

そこで、これらの論文の校正は、専門分野に精通した執筆者の公式論文として、正確なものを公表するという先方の要望を確実に形にしていく、とても重要な役割を持っています。

今回は、論文等の校正にあたって注意している点をいくつかご紹介します。

論集や紀要は他の書籍と比べてもとりわけ専門用語が多いため、執筆者が意図した記述なのか、それとも誤植なのかを見極める必要があります。

固有名詞では、国家資格によって「◯◯師」や「◯◯士」が存在し、新設の資格もあるので、似通った分野のものでも注意を払って校正しています。

また同音異義語は、文章入力の際に変換ミスが起こりやすく、その表記によって大きく意味が異なるため、丁寧に確認。その他、図や表では、通し番号の重複や飛ばしの有無、図説と文中表記の統一の確認、また目次と本文頁の見出しの統一などの照らし合わせを行なっています。

一度入力した文章は、たとえ誤植があっても、筆者ご自身では気が付かないことが多々あります。そのため校正者は、第三者の視点から見極めを行ない、厳密に校正することを重視しています。

推敲の過程で、削除または挿入されたと思われる箇所に、一字消え、または一字残りと思われるものが見受けられる場合もあります。また開催日など日程の記載がある場合には、西暦・和暦表記と日付、曜日の確認も行ないます。

そして、これらの気付きを執筆者にお返しし、何度かの往復を経て、校了の日まで並走します。正確で確実な論文公表のため、良い製品を作るため、日々文字と格闘しています。

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