伝票製本に使用する道具に「締め木」というものがあります。手作りの一品もので、弊社で半世紀以上現役で使われているものです。
吉村印刷では、折った後の印刷物を締める際に使う「締め木」も同じ名称で呼んでいるのですが、使用目的が違うため、混在せずに使い分けをしています。
この「締め木」は、伝票などの製本工程で糊付けをする際に使用します。下に2枚、上に1枚の計3枚が1セットで、丁合済みの印刷物を上と下の板で挟むようにして使います。
まず、下の土台となる板を断裁機のそばにセットします。そして、糊付けする面を断裁機できれいに切り揃え、ずらさないように締め木の上に重ねていきます。
重ね終わると上の板を乗せ、下の土台にセットしてある紐で左右均等に圧力がかかるように伝票を固定します。こうすることで、印刷物が動くことなく固定した状態で糊を入れることができます。
最近は、どの会社でも見積書や納品書、請求書などをプリンタで刷り出すことが多くなっていますが、まだまだ昔ながらの伝票製本のご依頼は多いです。手作業ではありますが、「締め木」で製本する技術を継承し、今後半世紀以上使い続けられるようにしたいと思っています。