お客様から上製本や並製本のご注文やお見積りのご依頼をいただいたとき、弊社内では、製本に必要な各種の準備や計算を行なっていきます。
その際に確認する項目の一つに「背幅」の計算があります。
例えば、「160頁の並製の本を作りたい」と考えた場合、本文1枚の厚みが0.08mmの紙を使うときと、0.15mmの紙を使うときとでは、「背幅」が大きく変わってきます。
■0.08mm×80枚(160頁÷2)=6.4mm
■0.15mm×80枚(160頁÷2)=12mm
このようなイメージで、ほぼ倍くらいの差が出てくるんです。
これが何に影響するかというと、表紙を印刷する際のサイズが変わってきます。
表紙印刷の際には、天地・左右のサイズを計算して印刷する紙の大きさを決めていきますが、「背幅」が関係してくるのは、左右の寸法です。
■「実際の本の左右の寸法×2倍(表表紙+裏表紙)+背幅」
これが表紙の左右の寸法になります。
※もしA5判・160頁の本で本文用紙が0.08mmであれば、「296mm(148mm×2)+背幅6.4mm」となります。
※実際には、これに表紙や見返しの厚みなどを考慮してサイズを決定しています。
この計算を正確にしておかないと、いざ製本をする段になって、背文字がずれて表表紙側にはみ出したり、表紙のレイアウトが変わってしまったり、ということも起こりえます。
ですので、表紙のサイズを決定するときには、使用する紙の厚みをマイクロメーターで実測して確認するのはもちろん、より正確に計算しなければならない場合は、束見本(実際の用紙を使って綴じた製本サンプル)を作製し、実物を測って確実な「背幅」を出すということもやっています。